先日読んでいた雑誌の中に、
「脳」に関するとってもおもしろい記事がありました。
ちょっと長いですけど、どうぞ。
この記事は、
競泳の北島選手が、北京五輪の選考会で
数m手前で「もうすぐゴールだ」と認識した為に、
それまで世界記録更新ペースだったタイムが
ごく平凡なタイムで終わったという話から始まります。
それを脳科学者が
「脳」の働きとともに説明をしていました。
まず、「もうすぐゴール」だと思った瞬間に
脳の働きが低下し、それに伴って
運動神経の働きが低下するそうです。
なんでも、「自己報酬神経群」と呼ばれる神経が働くらしく、
それは「自分へのごほうび」をモチベーションに
働く部位で、この部位が活発に働かないと
脳は活性化しないそうです。
そして、重要なことは、
活性化が、ごほうびが得られた「結果」ではなく、
ごほうびが得られそうだという「期待」によって
起こるそうです。
ごほうびを得られたという認識。
つまり、「もうすぐゴールだ」という意識が
脳から運動神経へ「僕はごほうびを得られた!」
という結果となって伝わり、
北島選手のパフォーマンスを低下させたのです。
また、次に脳には、3つの本能があるみたいです。
一つ目が、「生きたい」
二つ目が、「知りたい」
三つ目が、「仲間になりたい」
そして、この根源的な本能に逆らうことをやると
脳のパフォーマンスが急激に落ちるそうです。
ここでは、三つ目の「仲間になりたい」という
本能についてフォーカスを当てていました。
この本能、スポーツ時も同じで、「相手に勝つ」と
思った瞬間に脳にブレーキがかかり、
パフォーマンスが低下してしまうそうです。
なぜなら、「相手に勝つ」は「仲間になりたい」
という人間本来の本能に真っ向から逆らう考えだからです。
なるほど。信じる信じないは別にして、
単純明快なロジックですよね。
そして、話は、冒頭の競泳の北島選手に戻ります。
北島選手が北京五輪の選考会で
残り数mの時に思ったことが
「もうすぐゴールだ」という結果を求め、
世界新記録も更新できるペースが落ちてしまったこと。
そして、北京五輪で最大の「敵」となる
ブレンダン・ハンセンに対する感情のコントロール。
この2点に関して、
彼はこの脳科学者のアドバイスを受け、
見事この2つを乗り越えました。
まず、自己報酬神経群の改善。
これまで北島選手は、ゴールの壁が
見えた時点が結果だと脳が認識していました。
これを、そのゴールの壁にタッチをし、
ゴーグルを外し、振り返って
電光掲示板を見る。
ここまでを「ゴール」と定めた
イメージトレーニングをしたそうです。
「ゴール」を遠くに設定することで、
従来手前で失速していたパフォーマンスを
維持することに成功したそうです。
ごほうびを得られそうだという
「期待」を最大限に発揮させるトレーニングですよね。
そして、最大の「敵」であるハンセン。
北島選手は彼をこう考えたそうです。
ライバルであるハンセンを「敵」と思わず、
自分の闘志を掻き立ててくれる最高の「ツール」と認識する。
更に、水を「仲間」と思い込み、それらとともに
一緒にゴールする。
そして、結果はご存知の通り。
北島は金メダル、ハンセンは4位に終わりました。
結果を求めず、それを目指す為のプロセスに
集中することが最高の結果を得られる。
僕も、「結果を考えずに目の前の1プレーに集中する」
というごく一般的な理解をしていましたが、
科学的にそこまで研究されているなんて
初めて知りました。
人それぞれに試合までの気持ちの高ぶり方、
そして試合中のメンタルの保ち方があると思いますが、
こんな風に科学的な角度で見ると新鮮ですよね。
少し長くなりましたが、
個人的に凄く響きましたので紹介しました。
では、失礼。